2009_05/06
粒子加速器 「上海光源」
上海15日発新華社電によると、世界の注目を集めている重要な科学プロジェクト「上海光源」(放射光を取り出す複数の加速器を建設するプロジェクト)の建設が順調に進んでおり、今年4月完成・稼動する。中国科学院上海応用物理研究所が15日明らかにしたもの。
投資総額約12億元の上海光源は上海浦東張江ハイテクパークに建設されており、敷地面積は約20万平方メートル。プロジェクトの3大加速器、150MeV(メガ電子ボルト)、0・5秒以内に電子ビームのエネルギーを150MeVから3・5GeV(ギガ電子ボッルト)に増幅できる増幅器、一周の長さが432メートルの3・5GeVストレージ(蓄積)リングの据え付けとテストは、すでに終わっている。
上海光源はまた、生物大分子結晶体学ビームライン実験ステーションやXAFS(X線吸収微細構造)ビームライン実験ステーションなど七つのビームライン実験ステーションを建設した。
これまでに中国科学院上海応用物理研究所は全国の60余りの大学・研究機関から140件余りの申請書を受理しており、各地の科学研究スタッフは上海光源の七つのビームライン実験ステーションで、生命科学、医学と製薬、新材料、物理、化学、石油化学工業、生物工学などの研究や開発に取り組む。
放射光は電気光源、X線光源、レーザー光源に次ぐ、第4世代の光源で、文明の発展を促す革新的な光源とみられている。上海光源は中型の放射光施設で、エネルギー量は日本のSPring―8、米国のAPSとヨーロッパのESRFに次いで世界4位。中型の放射光施設としては世界で最も性能が良い。
上海光源の建設が始まったのは2004年12月25日。世界的レベルの大型科学実験施設を提供し、中国の科学技術分野のイノベーションと関連工業の発展を促すものと期待されており、中国が世界的レベルの大型科学実験施設を建設する能力を持っていることを示すものでもある。
中国通信社より掲載
日本のスプリング8と同じ粒子加速器を製造する技術力は中国も凄いですね。